コンタクトレンズの処方箋の見方【保存版】
コンタクトレンズの指示書である「処方箋」を受け取ったけれど、数字や英語ばかりで見方が分からないとお悩みではないでしょうか。中には、ネットでコンタクトレンズを購入する際、処方箋の数値を入力しなければならず、対応できないとお困りの方もいるでしょう。そこでこの記事では、処方箋の見方を詳しく紹介します。近視・遠視・乱視・遠近両用に分けて解説するので、コンタクトレンズを購入する際の参考にしてみてください。
コンタクトレンズの処方箋とは?
コンタクトレンズを購入する際に必要となる処方箋とは、眼科といった医療機関から発行される「指示書」のことです。簡単に説明すると「あなたの目はこういった状態なので、それに合うコンタクトレンズを購入してください」という内容が、専門用語を使って記載されています。処方箋は様式によって書き方に多少の違いはありますが、主に次の内容をまとめます。
・患者の名前
・販売名(製品名)/メーカー名
・規格(ベースカーブ、球面度数、直径など)
・装用方法(終日装用、連続装用)
・数量
・発行日や有効期間
・医療機関名、医師名、連絡先
専門用語などを用いて説明がまとめられているため、中には内容を詳しく理解できないとお悩みの方もいるでしょう。まずは、コンタクトレンズの処方箋の基礎知識として、処方箋を確認する2つのタイミングについてご紹介します。
特徴①:眼科で診察を受けた際にもらえる
処方箋は、眼科で目の検診を利用した際に発行されます。支払い時に処方箋を受け取るため、多くの方が処方箋を目にしたことがあるはずです。
中には処方箋をそのまま捨ててしまう人もいますが、コンタクトレンズの購入時に利用するケースもあるので、すぐに処分しないようにご注意ください。
特徴②:ネットでコンタクトレンズを購入する際に入力する
処方箋はインターネットでコンタクトレンズを購入する際に利用します。一部の通販サイトなどでは処方箋がなくても購入できる場合がありますが、処方箋が必要なサイトも多数あると理解しておきましょう。ただし、眼科を利用せずにコンタクトレンズを買い続けると、次のようなトラブルが起きる恐れがあります。
・自身の視力を把握できない
・目の病気・ケガに気づけない
コンタクトレンズの購入に処方箋が不要だとしても、なるべく眼科を受診することをおすすめします。目の病気といったトラブルを早期発見できることもあるので、3ヶ月の1回、半年に1回など期間を決めておくのが安心です。
コンタクトレンズの処方箋の見方|すべてのレンズに関係するポイント
コンタクトレンズを購入する場合には、コンタクトレンズの処方箋の内容を理解しておくと便利です。まずは近眼、老眼、遠近両用など、すべてのレンズに関係する処方箋のポイントを3つご紹介します。
よく見る英語表記が、一体何を意味するのか、詳しく見ていきましょう。
見方①:BC(ベースカーブ)
BC(ベースカーブ)とは、コンタクトレンズの曲がり具合を表す値のことです。基本的に、眼球のサイズが大きいほど、数値が高くなります。
BC(ベースカーブ)はいわば、目にフィットするコンタクトレンズを選ぶために重要な値です。コンタクトレンズ製品は、種類やメーカーによってベースカーブが違います。もし誤った値のコンタクトレンズを購入すると、装用中にすぐ外れてしまう恐れがあるので、なるべく処方箋に記載されたBC(ベースカーブ)に近いコンタクトレンズを選ぶのがおすすめです。
ちなみに日本人の平均BCは8.6~8.7mmだといわれています。コンタクトレンズはこのサイズに合わせて提供されているので、自身の受け取った処方箋の値と見比べてみてください。
見方②:POWER/PWR/P/D/SPH/S(度数・球面度数)
POWER/PWR/P/D/SPH/S(度数・球面度数)は、それぞれ近視・遠視の度数を表す値です。表記のされ方は処方箋によって異なりますが、マイナス(-)の場合は近視度数、プラス(+)の場合は遠視度数が表記されていると覚えておきましょう。
例えば、POWER/PWR/P/D/SPH/S(度数・球面度数)が左右-2.50と記載されているのなら、両目とも-2.50のコンタクトレンズを買う必要があります。また、左が-2.00、右が-2.50と記載されているのなら、両目の度数が違うので、異なる度数のコンタクトレンズが必要です。
見方③:DIA(レンズ直径)
DIA(レンズ直径)は、レンズのサイズを意味する値です。主に、レンズのサイズが大きいほど値が大きくなります。例えば、ソフトコンタクトレンズの場合は、角膜(黒目)よりもレンズ直径が大きくなるのが特徴です。一方、ハードコンタクトレンズの場合は角膜よりもレンズ直径が小さくなります。
処方箋に記載されたDIA(レンズ直径)は、コンタクトレンズのサイズを確認する参考値です。自身が購入するコンタクトレンズがソフトなのか、ハードなのかでどのサイズのレンズを購入するか検討するために利用します。
コンタクトレンズの処方箋の見方|乱視レンズのポイント
コンタクトレンズの処方箋の中でも、乱視レンズ購入時にチェックすべきポイントが2つあります。安全に乱視レンズを購入するためにも、それぞれの用語を理解しておきましょう。
見方①:CYL/C/CY(乱視度数・円柱度数)
CYL/C/CY(乱視度数・円柱度数)とは、視界が2重に見える「乱視」の度数を表す値のことです。前述したPOWER/PWR/P/D/SPH/S(度数・球面度数)と一緒にチェックしておきたい項目であり、乱視が強い人ほどマイナス(-)の値が高くなります。
もし検診のときに乱視だと診断されたのなら、近視のコンタクトレンズを選ぶと視界がぼやけてしまいます。視界を良好に保ちたいのなら、必ず乱視のコンタクトレンズを選び、近視・遠視の値はもちろん乱視の値を参考にして製品を選んでいきましょう。
見方②:AX/AXS/AXIS(乱視軸、円柱軸、中心軸)
AX/AXS/AXIS(乱視軸、円柱軸、中心軸)とは、乱視の角度を表す値です。視界にどれくらいのズレがあるのかを示す値であり、自身の目に合う角度の乱視レンズを探すためにチェックすべき項目となります。
乱視のコンタクトレンズは、10~180°まで10°間隔で表記されるのが特徴です。しかし、コンタクトレンズの種類によっては、すべての角度に対応できない場合があります。異なる角度の乱視レンズを選ぶと、逆に視界を悪くする恐れがあるので、最適な角度のレンズを選ぶようにご注意ください。
コンタクトレンズの処方箋の見方|遠近両用レンズの場合
遠近量両レンズを購入する際には、1つのポイントを事前確認しておきましょう。
見方①:ADD(加入度数)
ADD(加入度数)とは、近くを見るための度数を表す値です。主にプラス(+)表記で記載されており、数値が大きくなるほど近くが見えづらくなります。
遠近両用レンズを購入する場合にADD(加入度数)を誤ると、コンタクトレンズを装用することによって、視界不良が悪化する恐れがあるのでご注意ください。
コンタクトレンズの処方箋によくある質問
コンタクトレンズの処方箋について、よくある質問を4つおまとめしました。自身の目に合うコンタクトレンズを購入したいなら、小さな疑問をひとつずつ解決していくことが大切です。
気になる項目があるのなら、ぜひチェックしてみてください。
質問①:コンタクトレンズの度数は数字が大きいほど強いの?
一般的に、コンタクトレンズの度数は数値が大きいほど、目が悪くなっていると覚えておきましょう。目が悪くない時の数値は、0.00ですが、近視がひどいとマイナス(-)の値が大きくなり、遠視がひどいとプラス(+)の値が大きくなります。
質問②:コンタクトレンズの度数はいくつまであるの?
コンタクトレンズの度数の最大値は、次の範囲まで販売されています。
・近視の場合:-16.00
・遠視の場合:+8.00
上記の値は、度数を上げすぎた際、逆に目が見えづらくなる限界値から決められています。この度数を超える場合は、白内障の進行や、目の病気を発症している恐れがあるので、一度眼科に相談するのがおすすめです。
質問③:コンタクトレンズの乱視度数の限界はどこまで?
視力といえば「2.0」「1.2」「0.1」などゼロに近づくにつれて目が悪いといわれています。一方、コンタクトレンズは近視の場合マイナス(-)で視力を矯正するのが一般的です。
中には、2つの要素から最適な度数を選べないとお悩みの方もいるでしょう。以下にそれぞれの相性表を整理しました。コンタクトレンズを購入する参考にしてみてください。
球体度数 |
視力の目安 |
-4.25 |
0.05 |
-2.25~-4.00 |
0.1 |
-2.00 |
0.2 |
-1.75 |
0.3 |
-1.50 |
0.4 |
-1.25 |
0.5 |
-1.00 |
0.6 |
-0.75 |
0.7 |
-0.50 |
0.8 |
-0.25 |
0.9 |
-0 |
1.0 |
コンタクトレンズの処方箋の見方が分かったら実際に購入してみよう
コンタクトレンズの処方箋には、ローマ字で記載された専門用語がいくつも登場します。中には、ネット通販でコンタクトレンズを購入する際に、詳しい内容を理解しないまま、処方箋の情報を入力している人も多いはずです。
もし処方箋の内容が詳しく分からないのなら、本記事で紹介した情報が参考になると覚えておきましょう。処方箋の内容を理解したうえでコンタクトレンズを購入すれば、誤ったレンズの購入を回避できます。
また、ネット通販の中には、処方箋がなくても購入できる場所が増えている状況です。しかし目の状態が分からないまま製品を購入すると、度数の間違いが起こることはもちろん、目の健康状態を知らずに装用してトラブルが発生するかもしれません。安全にコンタクトレンズを購入・装用するためにも、まずは眼科を利用して検診を受けてみてはいかがでしょうか。
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